ＦＸでできた借金の任意整理の可否

結論から申し上げますと、ＦＸ取引の証拠金を用意するために借金をした場合であっても、任意整理をすることはできます。

任意整理においては、借金の目的や使途は原則として問題とされません。

基本的には貸金業者等と交渉をして、分割回数を増やすなど返済条件を変更することができます。

ただし、ＦＸが借金の原因であった場合、他のケースにはない注意点もあります。

以下、ＦＸでできた借金の任意整理の流れと、任意整理後に注意すべきことについて説明します。

ＦＸの証拠金を用意するために借りたお金であっても、通常の借金と同様に任意整理を進めることができます。

基本的な流れは、次のとおりです。

まず、弁護士に任意整理の相談、依頼をします。

弁護士が任意整理に着手すると、貸金業者等に対して受任通知が送付され、取り立てが一時的に停まり、弁護士が貸金業者等との間で返済条件に関する交渉を開始します。

交渉の結果、両者が合意に至り和解が成立したら、和解書の内容に従って返済を開始します。

任意整理をして、目の前の債務に関する問題を解決できたとしても、借金の原因がＦＸであった場合には、もうひとつ注意すべき問題があります。

ＦＸは、債務整理の実務においては、ギャンブルの一種という側面を持つものと認識されています。

再度ＦＸを始めてしまわないよう、できる限り口座はすべて解約し、新たな口座も開設しないようにしましょう。

もしＦＸのことが頭から離れないようでしたら、病院などでギャンブル依存症の治療プログラム等を受診することも大切です。

仮に再度ＦＸを始めてしまい、債務が大きくなりすぎて自己破産をせざるを得ない状況になった場合、大きな問題が発生します。

ＦＸが債務の形成原因である場合、免責不許可事由があるとされるため、自己破産をしても免責が許可されない可能性があります。